House in Matsunuma

松沼の家
Residence @ Oyama Tochigi
Design: Yu Yamada, Ryota Yamagishi /SNARK Inc.
Construction: Yamaguchi Construction
Total area: 167.45㎡ (1F/85.94㎡ 2F/81.51㎡)
Completion: Oct. 2019
Photo: Ippei Shinzawa

施主実家の敷地内に建つはなれを施主家族が住む為に改修する計画である。
はなれは母屋に隣接して建っており1階は車やバイク、農機具などを入れておく為のガレージとして、2階は母屋で足りなくなった個室を補う為に利用されており施主が実家を出るまでは自身の部屋もここにあった。はなれである為風呂はなく、廊下からそれぞれの個室へアクセスする簡素な建物である。簡素ながらもガレージの高い天井や入り口の上部にかかったバルコニー、2階から張り出した出窓など魅力的な部分も多い。

ガレージを内包するはなれを限られた予算内で更新するには気積が大きすぎる為、複数の機能を持たせた小さな気積を挿入することで必要な機能を補い、熱環境や耐震性を向上させることを考えた。家具よりは大きく部屋と呼ぶには小さい気積である。無柱空間であったガレージはキッチンとトイレを内包したヴォリュームで分割し、境界壁が耐震壁として機能している。玄関はガレージの大きな間口を活かしながら2層吹き抜けのサンルームとし、1階に光を届けながら熱環境的なバッファーとしての役割を担う。階段にはパントリーを組み込み、階段上部の開口からの光を1階まで届ける為に半透明のポリカーボネートの壁で光を拡散している。和室の間に挿入されたアトリエは少し大きめだった和室の気積を最適化し、大きな引き戸によって子供部屋の延長としての利用も可能にしている。各部に配置した気積が少ない手数で既存建物のポテンシャルを引き出しながら住まいをかたちづくっている。