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House in Nakago

中郷の家
Residence @Shibukawa Gunma
Design : Yu Yamada /SNARK Inc. + Shin Yokoo, Kakeru Tsuruta/OUVI
Construction : Omnibus Inc.
Planting:AYANAS
Total area : 133.74㎡ (1F/73.91㎡ 2F/59.83㎡)
Completion : Aug.2019
Photo : Ippei Shinzawa

 

群馬県渋川市の郊外に建つ木造 2 階建て住宅である。施主の実家である母屋の隣地に子世帯の住宅を建てる計画である。母屋のリノベーションもこの計画と平行して進められた。
敷地南東側の前面道路が車通りの多い国道であった為、前面道路に沿った敷地のグリッドから45°程回転させて建物を配置し、母屋の壁面から連続する壁面ラインをつくることで、敷地角にできた庭を前面道路や駐車場の喧騒から守るような構えとした。この庭は、一方は母屋と繋がりのある共用の庭として、もう一方は母屋から離れたプライベートな庭として確保されている。周囲を建物に囲まれた南面しない庭に落とす影を小さくする為にできるだけ高さを抑えた方形屋根のヴォリュームとしている。生まれてから住み続けている場所であっても周辺環境との関係を選択でき、多様な生活が喚起されるように、十字に組まれた柱によって持ち上げられた屋根の下に性質の異なる2つの空間を積層した。

1階は正方形と直角三角形をあわせた台形平面のワンルーム。生活に必要な機能をラワンベニアの箱に納め家具的に点在させることで視線を遮りながら居場所を作っている。箱と箱の隙間から外部へ視線が抜けるように開口の位置を定め、対角線に架けられた大梁は四角形の平面から最も長い直線を抽出し、水平方向への広がりを強調している。平面中心の105角の柱材5本をまとめた十字柱は建て方時の施工性と床梁の断面欠損に配慮した結果である。十字柱を中心として大梁と柱でできる門型のフレームを対角線方向に4方へ展開しており、フローリングと小梁・ルーバーもこれらの方向に合わせて方向を切り替えることによりワンルーム内に生活の拠り所となるような領域を作っている。シンボリックな十字の柱を中心として外部へ広がる、日々変化する周囲環境や人々に呼応する空間である。

2階への階段は収納の中に隠され探さないと見つからない。上下階の動線的な繋がりは希薄であるが、ルーバー床から降り注ぐ光と屋根の頂点まで伸びる十字柱が持ち上げられた屋根とその間にある空間の存在を暗示している。2階は決められた機能がない広い屋根裏空間であり2つのトップライトからは南と北それぞれの空と遠くの山々が見えるが、庭や母屋などの近隣の様子を伺い知ることは出来ない。周囲に呼応する1階とは対照的に、周辺環境から切り離された空間である。2階の十字の柱のうちの1本は屋根の棟材に合わせて1階と少しだけずれている。構造材の上下階の微妙なズレが柱という存在をより家具的な存在たらしめている。積層する2つの異なる空間は、ルーバーの床を介して互いの気配を感じさせながら共存している。