都心に建つ高層マンションの一室のリノベーションである。高層階からの眺望や空間全体へ採光が行き渡る間取りという要望をうけ、間仕切り壁のないワンルームとして計画を進めた。水回りを玄関側に寄せる事で実現するワンルームに対し、将来の売却を視野に入れた3LDKへの間取り変更にも対応できる柔軟な設計としている。曲線を使用した什器によって緩やかに空間を分ける事で安心感と開放感を実現した。また、フローリングを斜めに張る事でリビングに大きく設けられた窓への抜けを強調し、より開放感を感じられる工夫をしている。コンクリート躯体の柱や梁を表しにする事で空間のアクセントとし、天井や腰壁に取り入れた曲線と交わることで、力強さと柔らかさのコントラストが際立つ空間を演出した。仕上げにはジョリパットやモールテックス、石材など微かなテクスチャーと色味のある素材を選び、抑揚をつけながら互いの素材が持つ質感をより引き立たせている。また、クライアントが所有するアートや家具の色味と馴染むようにニュートラルなトーンを維持した。
六本木の家
Residence @ Roppongi, Tokyo
Design: Rei Oshima, Shota Kaneko /SNARK Inc.
Project management & Design direction: Masayuki Sakurai, Yusuke Kurii /TRAIL HEADS
Construction: BEANS
Total area: 155.84㎡
Completion: Dec. 2023
Photo: Tomooki Kengaku
東京都北千住の木密住宅街に建つ木造3階建ての住宅である。限られた敷地面積と密集する周辺環境に対し、居住性とプライバシーを確保するための架構を考えた。平面的に三つのヴォリュームを雁行させた構成とし、前面道路と周囲の建物との距離を保つ建ち方とした。居住性を考慮し、リビングを周囲の建物より高い床レベルの3階へ持ち上げるため、1階は階高を高く設定し倉庫兼作業スペースや店舗としての利用も可能な多目的な空間とした。天井高を抑えた寝室を中間階の2階に設け各階の階高にコントラストをつけることで、1階の高い天井高と3階の開放性を強調している。中央のヴォリュームには3層を塔屋まで貫く垂直方向のコアとしての階段室、1階の作業スペース上部には水平構面を保ちながら寝室へ抜ける三角形の吹き抜けをそれぞれ計画し、採光と通風を導いている。3連ヴォリュームのフレームを強調するために大梁の梁せいを統一し、長スパンとなる通りは梁を2本抱かせ梁せいを抑えた。梁が二重になる事で壁からはみ出た大梁は本棚や小物置きとして物の居場所になっている。
北千住の家
Residence @ Kitasenju, Tokyo
Design: Yu Yamada, Mami Umayahara /SNARK Inc.
Structural design: Shin Yokoo /OUVI
Construction: Eishin Construction
Steel products: gambit
Total area: 111.68㎡ (1F/35.22㎡ 2F/35.12㎡ 3F/36.76㎡ PH/4.58㎡)
Completion: Dec. 2023
Photo: Ippei Shinzawa
伊勢崎の事務所
Residence+α @ Isesaki, Gunma
Design: Sunao Koase, Noriko Koba /SNARK Inc.
Construction: Soken House
Total area: 106.30㎡
Completion: Dec. 2023
Photo: Ippei Shinzawa
群馬県伊勢崎市の店舗併用住宅の計画である。クライアントが主宰するブランド”yurika akutsu”のフラッグシップショップとしてカフェも併設している。店名にもなっている「誰にも教えたくない自分だけの特別な場所」となるよう、前面道路に対してはあえて開かず、敷地の奥へ入っていくにつれて建物全体がわかるような建ち方とした。ショップ部分はギャラリーのようにシンプルな白い壁に高い天井、住宅部分は天井高を抑え構造の木を表し、2階の寝室床に黄色いカーペットを敷き詰めた。空間のスケールや仕上げにメリハリを付けることで、それぞれの場所で過ごす時間にコントラストを与える。照明のスイッチや空間を仕切る建具は存在を意識させない納まりを心掛け、日常とは違う特別な場所を目指した。南側に設けた大きな開口から店舗内のカラフルな什器や照明の柔らかい灯りが溢れ、ディスプレイのように店の顔となる。什器や外構で各専門家とコラボレーションし、施主のものづくりの一環としての空間をつくり上げていった。
ドンテルエニワン
Residence @ Isesaki, Gunma
Design: Sunao Koase, Noriko Koba /SNARK Inc.
Construction: Miyashita Construction
Shop furniture: QUIET SPACE TOOL & FURNITURE, サカタカズヤ
Exterior design: Enomoto Kaoru /Tan
Total area: 108.47㎡ (1F/79.49㎡ 2F/28.98㎡)
Completion: Dec. 2023
Photo: Ippei Shinzawa
自社の東京オフィスである。センターコアの既存間取りに合わせて、ワークルームとマテリアルルームを計画した。ワークルームのデスクは自立、壁支持、棚支持と、各所に合わせて納まりを変え、天板に設けたスリットに、充電ケーブルやペン、ティッシュなどを収納する事ができるシステムをデザインした。棚や照明、ペーパーホルダーなど、既存部分に寄生するように取り付くプロダクトをデザインし、統一感のある空間に仕立てた。マテリアルルームの棚はDIYによる施工性を確保するため、既製サイズの置敷きタイル天板と鏡面SUSパイプによるスタック式の棚をデザインした。既存の状態に合わせたその場での即興的な設計で、新たなつくりやディテールを実験する設計者の設計者による設計者のためのオフィスである。
SNARK東京事務所2
Office @ Higashi-nihonbashi, Tokyo
Design: Yu Yamada, Shota Kaneko /SNARK Inc.
Construction: SNARK DIY
Steel products: gambit
Floor area: 49㎡
Completion: Sep. 2023
Photo: Ippei Shinzawa
群馬県伊香保町にある1502年創業の温泉旅館「千明仁泉亭」のカフェバーの改修である。朝食やディナーにも対応できるように厨房の拡張とレイアウトの変更を行った。窓からは山々が見渡せ、秋には紅葉が彩る。季節を感じられるよう客席とカウンターを窓と平行にレイアウトし直した。元々4mほどあったバーカウンターを6mの無垢の天板に入れ替え、入口正面のレジカウンターには既存の左官ブロックを切り取り移設した。全体の雰囲気を保つため壁や梁の色は既存のものに揃え、各部の納まりも既存にならい、既存の要素を丁寧に読み取りながら新たに象徴的な要素となるよう組み替えた。歴史ある旅館の営みの中に地域の作り手の痕跡を残せるようカウンター、ハイスツールやテーブルなどの製作を様々な作り手と共に作り上げた。500年以上の歴史ある旅館の雰囲気を保ちながら、新たな客層を取り込むきっかけとなるような改修となった。
Cafe & Bar @ Ikaho, Gunma
Design: Sunao Koase, Takeo Arika /SNARK Inc.
Client: 千明仁泉亭
Construction: Karasawa Construction
Counter top, Bar chair: WOOD IN WOOD FURNITURE
Wood panel, Table top: kirika
Steel Product: gambit
ART coordination:akamanma
ART:Hisashi Yamoto
Floor area: 95.8㎡
Completion: Dec. 2023
Photo: Ippei Shinzawa
群馬県みどり市にある焼き菓子販売の店舗である。
パンや焼き菓子に関する本を多数所持しているオーナーが、それらの本を読みながらイートインもできるビブリオテーク(フランス語:図書館)を作りたいという思いから設計がスタートした。入り口付近の陳列棚から続くカウンターの天板を緩やかに繋げ、そのまま本棚のあるイートインスペースへと繋がる動線計画とし、陳列された本や焼き菓子が外からも視認できるように既存のサッシを透明ガラスへ入れ替えた。店舗ファサードは一部壁面を塗り直す程度にし、内部から浮き出るビブリオテークを作ることにデザインを絞ることで大間々町という地域と調和した店舗となった。
オオママ ビブリオテーク
Baked confectionery shop @ Midori, Gunma
Design: Rei Oshima, Takeo Arika /SNARK Inc.
Client: Miraibake LLC
Construction: Numaga Construction
Steel Product: gambit
Floor area: 79.50㎡
Completion: Aug. 2023
Photo: Ippei Shinzawa
群馬県前橋市の広瀬川沿いに建つ住宅の計画である。区画整理により、元の住宅から十数メートル先の敷地への建替えが必要となった。敷地は広瀬川河畔景観形成重点地区に指定されており、素晴らしい景観を守るため、またさらに「質」の高い広瀬川河畔のまちなみ景観を創り、後世に引き継ぐため、景観整備が行われている。クライアントの希望もあり、レンガを外壁・外構に用い、街の景観に溶け込んでいくような計画とした。川沿いの桜の木やしだれ柳など季節を感じ取りながら住み慣れた生活が続けられるよう、2階のキッチン・リビングからの眺めを意識し川側に大きく開口部を設けた。断面と平面にそれぞれ傾斜を設けたことで視線を川へと導いている。恵まれた広瀬川の眺望に、歴史や文化を大切にしながら心地よい落ち着きのある景観で応える建物となった。
広瀬川の家
Residence @ Maebashi, Gunma
Design: Sunao Koase, Noriko Koba, Ayaka Seki /SNARK Inc.
Construction: Taisei Juuken
Total area: 108.36㎡ (1F/54.18㎡ 2F/54.18㎡)
Completion: Jul. 2023
Photo: Ippei Shinzawa
群馬県高崎市の観音山の麓にある体験型フィールドショーケースの計画。”小屋のある生活”を体験できる場所として自社で開発から運営までを手掛けるプロジェクトである。雑木林となっていた傾斜地で草刈り、測量、造成計画など敷地作りから始めた。風致地区や宅地造成等規制法、土砂災害警戒区域など各法規に倣いながら土砂量を計算し、地形を整え、点在する小屋同士を距離をおいて配置し、それぞれを繋ぐ道を作った。入り口からは全体が見渡せず、中へ進みそれぞれの小屋を巡るうちに眼下に広がる高崎の街と敷地全体を見渡せるような来場者のシークエンスを計画している。通常、設計事務所としての業務では与えられた敷地条件を元に建物を設計をするが、本プロジェクトでは傾斜地の林を切り開き小屋が建つ敷地から設計している。使いながら考え作る、作りながら考え使う。土地を切り開くところから自ら手を動かし考えることで、生活の道具としての小屋の新たな地平を切り開いていきたい。
スロウプ
Hut exhibition site @ Takasaki, Gunma
Project design, Management: Natsuko Inoue, Yuki Ochiai
Concept making: Tetsuro Yasunaga
Design: Sunao Koase, Ayaka Seki, Takeo Arika /SNARK Inc.
Landscape design: Sunao Koase, Ayaka Seki, Takeo Arika /SNARK Inc.
Landscape construction, Planting plan: SNARK D.I.Y., AYANAS
Art direction, Logo/Sign/Web design: Yuma Tobishima, Eri Sato /ampersands
Construction: トージロー建築工匠, Roccadia design and works
Steel products: gambit
Total area: 34.78㎡, 22.62㎡ (1F/11.31㎡ 2F/11.31㎡), 11.87㎡
Completion: Jun. 2023
Photo: Yoichi Onoda
カインズホームの新規業態の一つ、全国各地でカインズの「つくる」カルチャーを発信するDIYトラックである。ワークショップに必要なテーブル、椅子、工具などが全てトラック1台に収まるようにデザインされている。部材は全てカインズ商品を使い制作し、切り出し作業はshopbotを使用した。什器製作からワークショップ設営まで女性一人でも運営が可能となるように部材と設置方法の簡略化を図った。それぞれの什器を小さくすることで運びやすく且つ様々なバリエーションで場所作りをすることを可能としている。子どもたちにカインズの「つくる」カルチャーを伝えるのにふさわしい、DIYの楽しさを詰め込んだトラックとなった。
カインズ DIY トラック
Client: CAINZ CORPORATION
Design: Sunao Koase,Takeo Arika /SNARK Inc.
Construction: CAINZ D.I.Y.
Illustration:Yoshiki Terasawa
Photo:CRAFTIS MEDIA
群馬県渋川市にて40年間銀行として使われていた建物を、古着を中心に取り扱うアパレルショップへコンバージョンするプロジェクトである。店主は既存建物のレンガタイルの外壁や金庫の重厚なステンレス製の扉に魅了されこの場所に出店することを決めた。建物の風合いを最大限生かすよう壁はラワンベニヤで覆い、天井はレンガタイルに色味を合わせて塗装した。ラワン壁の塗装は調色したサンプルをいくつも作りながら現地で確認し、既存部分とうまく調和する風合いに仕上げることができた。広い店内で店主が模様替えしやすいよう、組み替え可能な吊り式のハンガーパイプと可動式の置き什器で店内を構成している。古着と建物、それぞれが持つ時間の経過による味わいを大切にするため古いものに丁寧に手入れをすることで、古きものから新しい価値を見出すことができた。
ドミツネ
Vintage clothing store @ Shibukawa, Gunma
Design: Sunao Koase, Noriko Koba, Ayaka Seki /SNARK Inc.
Client: Domitune
Construction: Numaga Construction
Steel Product: gambit
Floor area: 193.34㎡
Completion: Jan. 2023
Photo: Ippei Shinzawa
練馬の家
Residence @ Nerima, Tokyo
Design: Rei Oshima, Shota Kaneko, Mami Umayahara /SNARK Inc.
Structural design: Kakeru Tsuruta /TECTONICA Inc.
Construction: Marukou Construction
Total area: 259.28㎡ (1F/144.50㎡ 2F/114.78㎡)
Completion: May. 2023
Photo: Ippei Shinzawa