n’estate Kyoto-Arashiyama

三井不動産グループが多種多様なくらしのあり方を提案する ”n’estate” の拠点として、京都嵐山に半世紀以上前に建てられた古民家を一棟貸しの民泊とカフェにリノベーションするプロジェクトである。時代や住まい手の変化への対応で何度も改装が重ねられ、地層のようになった壁床天井を剥がしながら間取りを整えた。民泊とカフェの事業主体が異なることから内部での行き来はできない構成となっているが、両エリアの気配を感じさせる内部の開口やマテリアルのトーンを揃えることで一体的な施設として設計をしている。民泊の3つの宿泊室はキーカラーを定め、それぞれの部屋の形状や環境に合わせてトーンを変えることで、共通の素材を使用しながらもそれぞれの部屋の特徴を引き立てている。浴室に計画したサウナは茶室の炉のようにストーブを囲む構成とし京都の文化との接点を持たせた。カフェは人通りの多い前面道路から手入れが行き届いた立派な庭へ通り抜けるように動線を計画した。庭に面した縁側はタイルで仕上げ直し、ディスプレーや補助的な客席、イベント時のステージなど多目的な使い方ができる余地を残した。縁側のカフェと民泊の境界に設けた開口は両エリアの視線の抜けと広がりを確保し、民泊とカフェの分断を和らげている。立派な古民家の佇まいを尊重し既存部分を再利用しながら、現代的な用途を歴史ある地域の空気感と共に再構築した。
ネステート京都嵐山
Hotel & Cafe @ Arashiyama, Kyoto
Client: Mitsui Fudosan Residential Co.,Ltd.
Project Management: GOOD PLACE Co., Ltd.
Design: Yu Yamada, Mako Shimanuki /SNARK Inc.
Construction: VICO
Total Area: 206.58m² (1F/130.92m² 2F/75.66m²)
Completion: Jun. 2024
Photo: Daisuke Shima /ad hoc

Shibuya SAUNAS

かつて日本最初のフィンランド式サウナ施設である「スカンジナビアクラブ」があった渋谷に50年以上の時を経て誕生した鉄骨3階建てのサウナ施設である。近年のサウナブームのきっかけとなったマンガ&エッセイ『サ道』の著者であり、日本サウナ・スパ協会任命「サウナ大使」を務めるタナカカツキ氏が初めて総合プロデュースを行うサウナとして我々は計画の初期段階からデザイナーとして参加した。
収支計画から割り出された3層ヴォリュームの1階にワークスペースとレストラン、2・3階に8種類のサウナ室と2種類の水風呂、緑に囲まれた外気浴スペースを計画した。昔ながらのサウナのイメージを払拭すべく「ウェルネス」や「メディテーション」をコンセプトとして、身体に優しくリラックスできる・清潔感があり洗練されているデザインを心がけた。サウナ室と水風呂は大使と企画チームと一緒にそれぞれコンセプトを立て、素材の使い方や各部の細かな寸法を様々な分野のプロフェッショナルと詳細に検討し、サウナの聖地フィンランドやリトアニアへの視察で得た知見もふんだんに盛り込みながらつくり込んでいる。全体の仕上げや造作家具は触覚の心地よさを意識したマテリアルとディティールを選択した。天板やベンチの角を大きく取った曲面や、柔らかく滑りにくいゴムチップの床、肌の触れる部位に応じて仕上げ方を変えた浴室仕上げの石など「触れる」ということにフォーカスしてデザインしている。また、館内の家具や看板、ソープホルダーなどの細かな什器まで一貫してデザインすることで上質で非日常的な世界観をつくっている。多くの情報に晒される現代人を思考の世界から感覚の世界へ開放し心身をととのえる、都会のオアシスが誕生した。
渋谷サウナス
Sauna @ Shibuya, Tokyo
Client: TOKYU LAND CORPORATION
Design: Yu Yamada, Shota Kaneko /SNARK Inc.
Produce: Katsuki Tanaka
Planning: Kurando Furuya, Yuki Soyama /TOYOKE
Construction: ASANUMA CORPORATION
Collaboration:
– Yoshihito Satake /THERMARIVM (Sauna construction)
– gambit (Steel products)
– Kengo Tokusashi, WHITELIGHT,Ltd (Sound design)
– SOLSO (Plants)
– SAISEI LABORATORY (Design cooperation)
Total area: 551.22㎡ (1F/214.34㎡ 2F/214.34㎡ 3F/110.95㎡)
Completion: Dec. 2022
Photo: Daisuke Shima /ad hoc