House in Kumanocho

国内外から友人や家族を頻繁に招待する日仏家族のための住宅のリノベーション。限られた面積の中で柔軟性に富んだ住環境となるよう構想した。ここでは「時間」をひとつのデザイン素材として扱い、複数の時間的スケールで展開される。長期的には、大規模な改修を行うことなく、家族の成長に合わせて部屋毎の役割を移行させることができる。短期的には、来客やリモートワークの状況に応じてプライバシーの度合いを調整する。そして瞬間的には大型のパーティションの開閉によって、光や風の通り抜けや空間の広がりを変化させる。こうした多様な変化に対応するため、メインの生活空間は、連続性と独立性を組み合わせたレイヤー状のシステムとして構成した。床材の切り替えや複数のパーティションを活用することで、用途に合わせて空間を自由に再構成することが可能である。各機能は明確に区切られつつも視覚的なつながりは維持されており、家族が別々の場所で過ごしていても互いの気配を感じられるような暮らしを実現した。空間を彩る様々なマテリアルは家族の文化的背景を反映しつつ、異なるアイデンティティと全体としての調和を表現する。
Residence @ Itabashi, Tokyo
Design: Romane Kunugiza, Shota Kaneko, HoLing Cheng /SNARK Inc.
Construction: Koushou Inc.
Steel products: gambit
Total area: 70㎡
Completion: Jan. 2026
Photo: Ippei Shinzawa

House in Miyamotocho

桐生市の閑静な住宅街に建つ木造2階建ての住宅である。L字で二面道路に接する変形の敷地において、駐車場と庭を分けるために住宅を中央に配置した。生活空間が全て南側の庭に面するように計画し、リビングには庭を横目に過ごせる窓辺を設けるなど、住みながら育てていく庭と近い距離で生活できるプランとしている。また、施主が集めているアンティークの家具や新しく選定した照明と調和するように素材の検討や色味の調整を行った。
宮本町の家
Residence @ Kiryu, Gunma
Design: Rei Oshima, Takeo Arika, Noriko Koba /SNARK Inc.
Construction: Sakura Construction
Total area: 92.74㎡ (1F/46.37㎡ 2F/46.37㎡)
Completion: Jun. 2024
Photo: Ippei Shinzawa

House in Nakaoruimachi

緑豊かな市街化調整区域に位置し、二面道路に接する角地に建つ木造住宅である。開発許可や農地転用による土地の整備から、浄化槽の設置など宅地として住宅を建てるまでのハードルや時間的コストがかかることも想定されたため、住居は延床面積30坪を切ることを前提として計画を進め、シンプルなL字のプランとした。省スペースだが豊かな暮らしをしたい施主要望への解決策として建築の家具化を実践している。エントランスとLDK、子供部屋と廊下の境界は、単純な壁ではなく家具とすることで壁と収納の機能を一体化できる。また、リビングには段差を設け、窓際を家具とすることで収納やテレビ台としての機能だけでなくベンチとしても使える。晴れた日に腰掛けて外を眺められるようにするなど、日常生活の中で普段とは違う使いみちを考えたり、試してみたりすることができる余地が豊かな暮らしに繋がると考えて計画した。
中大類町の家
Residence @ Takasaki, Gunma
Design: Rei Oshima, Mami Umayahara /SNARK Inc.
Construction: Sakura Construction
Total area: 95.94㎡ (1F/50.10㎡ 2F/45.84㎡)
Completion: Sep. 2024
Photo: Ippei Shinzawa

House in Gosen

新潟県五泉市の延床面積70坪ほどある木造2階建ての日本家屋改修計画である。3世帯で住んでいた家は現在、施主と息子の二人暮らしであり、生活空間と動線のコンパクト化が求められた。二人で暮らすのに十分な広さとなる1階の約半分を改修範囲とし、空調効率を考慮し改修部だけ断熱材で囲う計画とした。1階の中廊下を境に改修部の向かいには広い縁側のある客間や仏間があり、中間季は障子や襖を外して庭を望める気持ちの良い空間である。そこで改修部とそれ以外とを大きな建具によって仕切る事で、季節に合わせて建物全体を一体利用できる構成を考えた。既存の飾り窓や格天井、飴色の床板材などの特徴的な仕上げに配慮しながら改修部の床材やタイルなどの素材を選定し、対比と調和が混在しながら建物全体に馴染むようなデザインを考えた。地方における少子高齢化などの影響により同様の住居が散見される中、一つの解を示す計画となったと考える。
五泉の家
Residence @ Gosen, Niigata
Design: Shota Kaneko /SNARK Inc.
Construction: Daiwa Homes
Total area: 239.32㎡ (1F/185.49㎡ 2F/53.83㎡)
Completion: Nov. 2024
Photo: Ippei Shinzawa

House in Hikarigaoka

東京都・光が丘にある緑豊かな団地の一室をリノベーションしたプロジェクト。3人家族が暮らすこの住まいでは、仕事のための書斎やリビングにいながらちょっとした作業ができる小さな本棚スペースなどさまざまな居場所づくりが求められた。全体の仕上げにラワンベニヤを使用し、リビングの壁面では木目の方向を90度回転させて貼り分けたり場所ごとに染色オイルの色味を変えたりといった工夫により統一感を保ちながらも、それぞれの空間が異なる表情を持つようにデザインしている。同じ素材でありながら貼り方や染色など素材の編集を変えることで、多彩な生活のシーンを生み出している。
光が丘の家
Residence @ Hikarigaoka, Tokyo
Design: Yu Yamada, Mami Umayahara /SNARK Inc.
Construction: KOUSHOU
Steel products: gambit
Total area: 85.22㎡
Completion: Nov. 2024
Photo: Ippei Shinzawa

House in Itabashi

板橋区の住宅街にある1階に親世帯、2階に子世帯が暮らす二世帯住宅である。親世帯の1階は、水回りと寝室を中心にシンプルかつ短い動線で負担が少なく暮らせる構成とし、隣地通路に面した窓から四季を感じられる設計とした。子世帯の2階は、個室とLDKを縦長に分け、天井を高く取り、個室上部を本や趣味の道具を収納するロフトとした。両世帯を繋ぐ階段の踊り場には小さな書斎を配置し、他の部屋と切り離された集中しやすい作業スペースを確保した。限られた空間を立体的に構成し、住む人の暮らしと物との調和を目指した住宅である。
板橋の家
Residence @ Itabashi, Tokyo
Design: Sunao Koase, (Ayaka Seki) /SNARK Inc.
Structural design: Shusaku Ota /Paterson Inc.
Construction: Eishin Construction
Total area: 94.38㎡ (1F/47.34㎡ 2F/47.04㎡ loft/21.73㎡ balcony/7.92㎡)
Completion: Nov. 2024
Photo: Yasuyuki Takaki

House in Yoyogi

代々木に建つヴィンテージマンションの改修計画である。元の住居は間仕切りと大きな梁型によって空間が隔てられ閉塞感を感じる空間であった。改修では間仕切りを無くし、部屋をまたぐようにアール状のベンチやキッチンカウンターを連続的に設け、水平方向に視線を誘導する事でLDKに抜け感をつくる計画とした。造作部には素焼きタイルやアール加工した天板を共通して用いる事で、LDKの一体感を強調させるデザインとした。リビングの奥には間仕切り建具によって寝室としても利用できる小上がりを設け、低めのベンチと手触りの良いカーペットにより床でくつろげる空間として設えた。そうした家具のデザインによって空間を一体化させつつ、部屋ごとに特色のある住居の設計を試みた。
代々木の家
Residence @ Yoyogi, Tokyo
Design: Sunao Koase, Shota Kaneko /SNARK Inc.
Client: SHARE COMPANY
Construction: Repos-design
Total area: 118.30㎡
Completion: Oct. 2024
Photo: Ippei Shinzawa

House in Roppongi

都心に建つ高層マンションの一室のリノベーションである。高層階からの眺望や空間全体へ採光が行き渡る間取りという要望をうけ、間仕切り壁のないワンルームとして計画を進めた。水回りを玄関側に寄せる事で実現するワンルームに対し、将来の売却を視野に入れた3LDKへの間取り変更にも対応できる柔軟な設計としている。曲線を使用した什器によって緩やかに空間を分ける事で安心感と開放感を実現した。また、フローリングを斜めに張る事でリビングに大きく設けられた窓への抜けを強調し、より開放感を感じられる工夫をしている。コンクリート躯体の柱や梁を表しにする事で空間のアクセントとし、天井や腰壁に取り入れた曲線と交わることで、力強さと柔らかさのコントラストが際立つ空間を演出した。仕上げにはジョリパットやモールテックス、石材など微かなテクスチャーと色味のある素材を選び、抑揚をつけながら互いの素材が持つ質感をより引き立たせている。また、クライアントが所有するアートや家具の色味と馴染むようにニュートラルなトーンを維持した。
六本木の家
Residence @ Roppongi, Tokyo
Design: Rei Oshima, Shota Kaneko /SNARK Inc.
Project management & Design direction: Masayuki Sakurai, Yusuke Kurii /TRAIL HEADS
Construction: BEANS
Total area: 155.84㎡
Completion: Dec. 2023
Photo: Tomooki Kengaku

House in Tamagawa

多摩川の河川敷に隣接し、周囲に心地の良い自然が広がる立地に建つヴィンテージマンションのリノベーションである。複数の棟で構成されるこのマンションは、空地のランドスケープや外壁・共用部がタイルで印象的に仕上げられており、周囲の自然と調和しながら一体的な景観を形成している。外壁で使用されている素焼きタイルやエントランスホールの白色の釉薬タイルを引用しキーマテリアルに据え、それらに素焼きのようなザラッとしたテクスチャの毛足がランダムなカーペットと、釉薬をかけたような半透明白色のオイルで仕上げたナラの突板を合わせた。複数のマテリアルの色味とテクスチャを慎重に検討し、それぞれの素材感を保ちつつも統一感のある空間として構成した。キッチン・トイレ・洗面などの水回りはあえて素材やトーンをガラッと変え、そのコントラストが互いを引き立て合うことを狙った。また、マンションの規約上、素材や間取りを竣工時の仕様から変更することが認められていなかったが、丁寧に協議を重ねることで、性能的な変化が無い素材や間取りの変更の承認を得ることができた。このプロジェクト以後の他の住戸の改修はこの前例によりリノベーションが少し自由になる。マンションリノベーションにおいて住戸と共用部のデザインが断絶されるのではなく、相互に参照し合いながら更新されていくことで互いの価値を高めていくリノベーションのあり方の提案である。
多摩川の家
Residence @ Tamagawa, Tokyo
Design: Yu Yamada, Mako Shimanuki /SNARK Inc.
Construction: KOUSHOU
Steel products: gambit
Total area: 114.43㎡
Completion: Jul. 2024
Photo: Ippei Shinzawa

House in Kawagoe

田園風景が広がる地域に建つ、美容室を1階に併設した住宅。緑豊かな環境に包まれた母屋である農家住宅と共に納屋、倉庫、田んぼが点在する風景がある。その田んぼのひとつを部分的に宅地化した土地に母屋や地域の環境に呼応した住まいを計画した。当初は採光を考慮し宅地として開発が進んでいる南側の隣地境界から建物を離して庭を大きくとる配置を考えていたが、ランドスケープアーキテクトである施主と共に様々な配置を検証しながら、敷地の北側にある母屋や田んぼ、計画した庭、住居と連続した風景となるように建物の配置を決めた。北側に広がる田んぼに向かって開くように大きな切妻屋根を架け、住居や店舗内に長く変わらない風景を大きく取り込めるような窓の設定をしつつ採光も確保した。室内は前面道路側に美容室を設け、大きな屋根のもと建物は一体になっているが、吹き抜けや水廻りを隣接させることで日常生活において発生する音を遮断し、住空間とは切り離して営業ができる工夫を凝らした。また、インテリアに関しても住空間で使用している素材と対になるように色や仕上げの範囲を設定し、仕事とプライベートで切り替えができる設えとした。建物を覆う新たな植栽や田園風景が様々な居場所に取り込まれ、四季折々に変化を感じることができると同時に、長く変わらないものが与える安心感が住まい手に心地よさを加えてくれるだろう。
川越の家
Residence @ Kawagoe, Saitama
Design: Rei Oshima, Mako Shimanuki /SNARK Inc.
Construction: BEACON WORKS
Total area: 125.24㎡ (1F/82.61㎡ 2F/42.63㎡)
Completion: Feb. 2024
Photo: Makoto Yoshida

House in Kitasenju

東京都北千住の木密住宅街に建つ木造3階建ての住宅である。限られた敷地面積と密集する周辺環境に対し、居住性とプライバシーを確保するための架構を考えた。平面的に三つのヴォリュームを雁行させた構成とし、前面道路と周囲の建物との距離を保つ建ち方とした。居住性を考慮し、リビングを周囲の建物より高い床レベルの3階へ持ち上げるため、1階は階高を高く設定し倉庫兼作業スペースや店舗としての利用も可能な多目的な空間とした。天井高を抑えた寝室を中間階の2階に設け各階の階高にコントラストをつけることで、1階の高い天井高と3階の開放性を強調している。中央のヴォリュームには3層を塔屋まで貫く垂直方向のコアとしての階段室、1階の作業スペース上部には水平構面を保ちながら寝室へ抜ける三角形の吹き抜けをそれぞれ計画し、採光と通風を導いている。3連ヴォリュームのフレームを強調するために大梁の梁せいを統一し、長スパンとなる通りは梁を2本抱かせ梁せいを抑えた。梁が二重になる事で壁からはみ出た大梁は本棚や小物置きとして物の居場所になっている。
北千住の家
Residence @ Kitasenju, Tokyo
Design: Yu Yamada, Mami Umayahara /SNARK Inc.
Structural design: Shin Yokoo /OUVI
Construction: Eishin Construction
Steel products: gambit
Total area: 111.68㎡ (1F/35.22㎡ 2F/35.12㎡ 3F/36.76㎡ PH/4.58㎡)
Completion: Dec. 2023
Photo: Ippei Shinzawa

Don’t tell anyone

群馬県伊勢崎市の店舗併用住宅の計画である。クライアントが主宰するブランド”yurika akutsu”のフラッグシップショップとしてカフェも併設している。店名にもなっている「誰にも教えたくない自分だけの特別な場所」となるよう、前面道路に対してはあえて開かず、敷地の奥へ入っていくにつれて建物全体がわかるような建ち方とした。ショップ部分はギャラリーのようにシンプルな白い壁に高い天井、住宅部分は天井高を抑え構造の木を表し、2階の寝室床に黄色いカーペットを敷き詰めた。空間のスケールや仕上げにメリハリを付けることで、それぞれの場所で過ごす時間にコントラストを与える。照明のスイッチや空間を仕切る建具は存在を意識させない納まりを心掛け、日常とは違う特別な場所を目指した。南側に設けた大きな開口から店舗内のカラフルな什器や照明の柔らかい灯りが溢れ、ディスプレイのように店の顔となる。什器や外構で各専門家とコラボレーションし、施主のものづくりの一環としての空間をつくり上げていった。
ドンテルエニワン
Residence @ Isesaki, Gunma
Design: Sunao Koase, Noriko Koba /SNARK Inc.
Construction: Miyashita Construction
Shop furniture: QUIET SPACE TOOL & FURNITURE, サカタカズヤ
Exterior design: Enomoto Kaoru /Tan
Total area: 108.47㎡ (1F/79.49㎡ 2F/28.98㎡)
Completion: Dec. 2023
Photo: Ippei Shinzawa